シロザケの遡上ピーク 新温泉町・岸田川


尾びれで産卵床を掘るシロザケ=兵庫県新温泉町七釜

 兵庫県新温泉町を流れる岸田川で、シロザケの遡上(そじょう)がピークを迎えている。今年は川の水量が少ないため、例年より多くの魚影が確認されている。

 北洋へ数千キロ旅して、三-五年後の十-十二月、生まれ育った川に戻るという。雌が尾びれで穴を掘って産卵。雄は精液をかけた後、外敵から守るために卵を砂利で覆う。

 県内で唯一、シロザケの人工増殖に取り組む同町の岸田川漁協。毎年、捕獲後に採卵し、人工ふ化させた稚魚を放している。自然界で生まれ、育ったサケと合わせて毎年、推定で千匹前後が岸田川を上る、という。杉谷勉組合長は「今年は姿を目視できる機会が多く、住民の関心も高い。サケを含め、多様な生物がすめる川を取り戻していきたい」と話している。(幾野慶子)
神戸新聞 - 2006年11月15日