湯郷 白寿(埼玉県・かんな川温泉)


濃い泉質の温泉と武蔵国二ノ宮を訪ねる
関越道本庄児玉ICから国道462号線を神流(かんな)湖方面に向かう。群馬県境にほど近い田園地帯に、地下750メートルから湧く良泉が評判の湯郷 白寿がある。

 「白寿の湯」としてオープンしたのが6年前。昨年、経営母体が変わったが、泉質の良さは変わらない。

 浴室は2階にあり、男性用と女性用が左右対称で並んでいる。内湯も露天風呂も、湯舟の縁から茶褐色の湯があふれているところには、温泉成分が幾重にも層になって堆積している。日帰り温泉でこうした濃い泉質を見るのは珍しい。

 効能はすぐれ、関節を痛めているダンスのインストラクターが東京から毎週やって来たり、毎日通う近在のお年寄りは「悪いところが良くなった」と口をそろえる。

 1階には100人以上を収容できる大広間があり、ゆったりとくつろげる。無料の給湯ポットには、6種類のハーブをブレンドしたお茶を用意。

 館内の食堂では、そばやカツ丼などが食べられるが、おすすめは玄米を使った石焼ビビンバ900円。香ばしくこげた新潟の産地直送米と、温泉卵、ナムルなどの具材がマッチしている。

 本庄児玉ICへ戻る途中にある金鑽(かなさな)神社は、武蔵国の二ノ宮。背後の御室山(御嶽山の一部)をご神体にして、本殿はなく拝殿だけがあるという珍しい形態だ。重要文化財の多宝塔がある。周囲は清流公園として整備され、展望台がありハイキングなども楽しめる。(文/田辺英彦)

【写真】茶褐色の湯があふれている露天風呂。男性用からは御嶽山が見える


旅ゅーん! - 2006/12/14