三朝温泉「花湯まつり」


 温泉で有名な鳥取県三朝町三朝温泉で三日から二日間の日程で、春の風物詩「花湯まつり」が始まった。初日は、温泉街で四日夜に行われる大綱引き「陣所」で使う大綱を編む「綱からみ」があり、地元の三朝区民が総出で巨大な綱を編み上げた。

 陣所は、温泉本通りに設けられた緑門を境に、東西に分かれて大綱を引き合う伝統行事で、県無形民俗文化財に指定されている。

 綱からみは、午前八時から開始。住民は、近くの山から切り出し、温泉街を流れる三徳川に約二週間浸して軟らかくしたフジカズラを「ヨイヨーイ」の掛け声とともに編み上げた。

 編んだカズラは、細いカズラで結わえ、一日掛かりで長さ約八十メートル、胴回り約一・五メートル、重さ約二トンの巨大な雌雄二本の綱を完成させた。

 温泉街には、連休を利用して三朝温泉を訪れた観光客らが次々と詰め掛け、額に汗を浮かべて編み上げていく住民の姿をカメラに収めたり、カズラの切れ端を宝木として持ち帰っていた。

 四日は、日中に稚児行列や子どもみこしがあり、陣所は午後九時半から始まる。



日本海新聞 - 2007年5月3日