琵琶湖の風景など版画200点 大津で元京女大教授の遺作展


 今年5月に83歳で亡くなった滋賀県大津市西の庄の元京都女子大教授浅見益吉郎さん(雅号・素石)が趣味で作り続けた版画の遺作展が15日、大津市の市歴史博物館で始まった。琵琶湖の風景や、オリジナルのいろはかるたなどを彫った力作約200点が、つつましいユーモアを持った故人の人柄をしのばせている。

 浅見さんは、3歳から大津市で育ち、環境衛生学や温泉学を専門に同大家政学部で教えた一方、琵琶湖疏水をPRする「びわこ疏水とさざなみの道の会」会長を務めるなど活躍した。趣味でゴム状の板を彫刻刀で削る版画や郷土玩具の研究に取り組んだ。

 遺作展はびわこ疏水とさざなみの道の会のメンバーが、遺志を受けて開いた。会場には、比良山系の雪景色や近江富士、訪れたヨーロッパの風景を彫った作品のほか、自作や中国の詩仙らの漢詩を彫った版書なども並んでいる。

 浅見さんが知人に送ったトラや馬などが作れるペーパークラフト付きの年賀状や、言葉や絵が楽しいオリジナルのいろはかるたなどの版画作品も展示されている。23日まで。無料。
京都新聞 - 2006/11/15