平川地区に大型電器店が集中 対する「町の電器屋さん」


今月1日にデオデオ山口本店が吉敷から平井に移転オープンし、平川地区に敷地面積が千坪を超える大型家電量販店が集中。その一方で、何十年と市内で電器店を営み続ける「町の電器屋さん」もいる。販売面積に豊富な品ぞろえ、加えて広大な駐車スペースを持つ大型電器店が、ベスト電器、ヤマダ電機を加えた3店も、平川地区に立地することになった。
市中心部と小郡との間で商圏人口が多い、整備された大通りに面している、という好条件がその理由だ。
そのため「他店よりも安く」を掲げる各社による価格競争も、これまで以上に激化すると予想される。黒川にヤマダ電機・テックランド山口本店には、平日で休日には約千人が訪れていた。
佐々木慎一フロア長は「最近では価格だけではなく、保証の充実にも力を入れている。安心価格に加えて、安心長期保証も行っている」と話す。デオデオ、ベスト電器も同様に5年間修理保証に取り組んでおり、サービス面でも競い合っている様子だ。
売上は大きく減少している。
客層は昔なじみの人がほとんどだ。大型電器店と大きく違うのは、客が店に来て商品を探すのではなく、ほとんどは先方から電話がかかってきての訪問販売だという点。デジタル家電を他店で購入したものの、操作方法がわからないといった相談が増えて困惑している。
終戦後から3代にわたる「富士電気サービスセンター」(堂の前)の栗田友二社長は「使用方法の説明など、使う人へのアフターケアが大事。わたしたちが売るのは信頼。お客さんの名前と顔は覚えている」と、代々変えることのない信念を見せた。
サンデー山口 - 2006年12月3日