フクロウ保護で大臣賞

フクロウの保護活動に3年間取り組んできた長野県阿智村伍和の阿智第二小学校(源関昭校長)6年生児童18人がこのほど、東京都の環境省で開かれた「全国野生生物保護実績発表大会」に参加し、最高となる環境大臣賞に輝いた。5日に同校で受賞報告会があり、6年生たちが活動を通じて学んだことを発表。多くの人たちの協力に感謝するとともに、地元の自然保護に今後も取り組む決意を伝えた。

 18人は4年生の時に「伍和にフクロウを呼び戻そう大作戦」を企画。保護者や地域住民らと協力して巣箱36個を製作し、地区内へ設置した。巣箱の材料費は自分たちで育てた花の苗を同村昼神温泉の朝市で販売して工面した。ことし4月にフクロウの営巣を確認。そのうち、ひな3羽が5月に巣立った。

 児童たちは巣箱にビデオカメラを設置し、フクロウの生態を観測。親鳥の雄と雌の行動の違いやひなに与える餌の種類、人家と営巣場所までの距離などを学んだ。大会では18人がビデオ映像を交えて、これらの取り組みを発表。全国から参加した小中高の10校の中で最高賞に選ばれ、若林正俊環境大臣から表彰状と盾を手渡された。

 5日の受賞報告会では、大会当日の映像に続き、6年生が一人ずつ、活動で学んだことなどを下級生たちに伝えた。「花を買ってくれたり、巣箱を高い木へ設置してくれたりと、地域住民や保護者の支えのおかげ」「互いに信じ、協力し合う素晴らしさを学んだ」など、感謝の言葉が続出。「3年間の活動は最高の宝物。これからも伍和の鳥や自然を守る活動をしていきたい」との抱負も聞かれた。

 太田萌さん(12)は「フクロウがなかなか巣箱に入らなかったように、自然は偉大で人間の思うようにはいかない。だからこそ、自然を壊すのではなく、治すという活動をしていきたい」との決意を披露。河合紳吾君(12)は「みんなで支え、協力し合うことが、素晴らしい結果につながることが分かった。ずっと忘れずにいたい」と話していた。

 担任の田畑孝宏教諭は「子どもたちと出会い、フクロウと出会い、地域住民や保護者の方々の協力に出会えたことが本当に良かった」と感慨深げ。源関校長は「3年間の頑張りが環境大臣賞につながった。活動を通じて学んだ『協力や支え合いの大切さ』を今後も生かしてほしい」と期待していた。

南信州サイバーニュース - 2006/12/5