定山渓の生ごみ堆肥化 一般家庭でスタート 200世帯、試験的に 「エコ温泉」推進へ

札幌市が本年度から南区の定山渓温泉地区で取り組んでいる「生ごみ堆肥(たいひ)化モデル事業」で、ホテルなどの事業所系に続いて、一般家庭を対象にした生ごみ収集が一日から始まっている。二月末まで三カ月間を試行期間として結果を分析し、来年度からの「温泉街ぐるみの生ごみリサイクル」につなげていきたい考えだ。

 同事業は、地区内から出る生ごみを分別収集し、堆肥化して地元の農家などが野菜作りに使用。農家がつくった野菜を地元のホテルなどで提供し、安心な食材を売り物にして、定山渓を環境と健康に優しいエコ温泉に?という狙いがある。

 今年四月からホテルや病院などの「事業所系」で収集がスタートし、二十施設が参加している。

 今回の家庭からの収集には約二百世帯が参加。各世帯は市が配布した専用ごみバケツに生ごみを保管し、市の委託を受けた収集業者が週に一回収集する。市は試行期間内の生ごみ回収量は全体で七トンと想定。石狩市内の堆肥化施設に運んで約三トンの堆肥ができる見込みだ。冬場で野菜作りなどができないため、堆肥は参加者や町内会に配られる。

 市は来年三月に参加世帯にアンケートを実施。ごみ減量効果や、におい、選別にかかる時間、冬季ならではの問題点などを調べ、本格実施に向けて課題を検討する。来年度は収集対象の世帯を拡大して取り組む方針だ。(中村公美)

北海道新聞 - 2006/12/5