気多大社で生間流庖丁式

 羽咋市寺家町の気多大社で七日、伝統の生間(いかま)流庖丁(ほうちょう)式が行われ、烏帽子(えぼし)に直垂(ひたたれ)姿の料理人が、コイとタイを巧みな包丁さばきで調理、奉納し、食材への感謝や技術向上、無病息災を祈った。
 七尾市和倉温泉、加賀屋の宇小(うこ)藤雄調理長(51)と鈴木健一さん(24)が庖丁人、小島一人さん(27)が介添人を務めた。

 宇小さんがまな板を清める「粗衣(そい)の儀」を行った後、鈴木さんがコイをさばき、海に浮かぶ夫婦岩に神祭用具の御幣(ごへい)がかかる光景を表した「神巌(しんげん)の鯉(こい)」を仕上げた。続いて、宇小さんが海の渦潮の中をタイが泳ぐ「渦潮(うずしお)の鯛(たい)」を奉納した。

 生間流庖丁式は平安中期の宮中における諸礼式の事始めに行われたと伝えられる。気多大社には「七草の日」に奉納され、今年で三十九回目となる。

北國新聞 - 2007/1/8