丸イモ焼酎 試作品好評


温泉で石川県能美市の辰口温泉街で十二日、初の食彩イベント「能美食彩広場」が開かれた。第二部の食談会では市が開発に乗り出した加賀丸イモ焼酎の試作品が振る舞われ、利き酒した参加者たちは絶賛。製品化をめぐってはクリアしなければならない課題も山積しているが、新たな地域ブランド創出に向けて好スタートを切った。 (田嶋豊)

 食談会は、たがわ龍泉閣とまつさきの両温泉旅館で同時開催。それぞれ酒類総合研究所(広島県)の三上重明氏と県指定無形文化財の陶芸家武腰潤さん(能美市)を囲み、石川県九谷陶磁器商工業協同組合が提供した九谷焼のカップで焼酎を楽しんだ。

 試作された焼酎は、二つの製法「常圧蒸留」「減圧蒸留」で醸造。三上氏は参加者から人気のあった常圧について「まろやかで上品な仕上がり。かすかに香りが口に広がる」と講評した。

 酒井悌次郎市長は「能美市ブランドとして、全国にアピールできれば」とあいさつ。来賓の山岸勇副知事も「風物、産物、人物を生かし、能美市の観光発展につなげて」とエールを送った。

 丸イモ焼酎が商品化されれば全国で初めてとなるが、産業廃棄物となる粕(かす)の処理問題や採算性、原料となる丸イモの収量の確保など課題も。能美市は今後、複数の団体と共同出資することも視野に入れ、酒造業者と協議を重ねていく方針。

 イベントは辰口温泉観光協会と能美市観光物産協会、能美市が企画。第一部では、輪島港直送のズワイガニを使ったカニ汁が振る舞われた。



中日新聞 - 2006/11/14